スタッフダイアリー

フラッシュバックメモリーズ3D

クリエイティブ事業部デザイナーの土田です。
少し前の話になりますが、
1月末に「フラッシュバックメモリーズ3D」という映画を観ましたので、ご紹介します。

この映画はディジュリドゥ奏者・GOMAさんを追ったドキュメンタリーです。
ディジュリドゥというのはオーストラリア先住民アボリジニに伝わるシンプルな楽器。
シロアリに食われて筒状になったユーカリの木から作られるこの楽器は、
世界最古の管楽器とも言われていて、豊かな倍音に彩られた独特な音が特徴です。
(「Jamiroquai」の楽曲で使用されていることでご存知の方も多いかもしれません。)
GOMAさんは、日本はもちろんオーストラリアやイギリスでも活動してきたディジュリドゥ奏者で、
1998年にはアボリジニーの聖地アーネムランドにて開催された大会で準優勝
(ノンアボリジニープレイヤーとして初受賞)という快挙を果たしています。
私は2006年にスタートしたGOMAさんのプロジェクト「NIGHT JUNGLE」でご縁があり、
その音楽の不思議な魅力とご本人の温かい人柄に触れて、大ファンに!
以来、ライブやイベントなどにちょこちょことお邪魔しておりました。

2009年、GOMAさんは追突事故に遭い、
その影響で過去/現在の記憶を残す能力に障害を負うことになります。
活動休止を余儀なくされ、一時はディジュリドゥが楽器であることもわからなかったそうです。
映画では、GOMAさんが活動を再開するまでの姿を、事故以前の活動の映像や写真、
そしてご本人と奥様の日記を交えながら振り返っていきます。

過去の映像や写真、
突然異なる映像が頭の中に飛び込んでくる症状「フラッシュバック」を表現したアニメーション、
そして、3Dで撮影されたGOMA& The Jungle Rhythm Sectionのスタジオライブの模様。
それらがまるでレイヤーのように重なり一つの画面に共存するという、非常に斬新な構成となっていて、
観る前は「3Dのドキュメンタリー映画」というのがあまり想像できなかったのですが、
現在のGOMAさんと過去のGOMAさんが、何だかわからないけど決定的に違う、ということが、
映像が生み出す立体感や奥行きで、感覚的にすとんと胸に落ちてくるのでした。
そして全編を包む圧倒的なサウンド、リズム!!
その音楽がもう一度聴くことが出来たことの幸運に、ただただ感謝しました。

もちろん「記憶とは?」という普段全く意識しなかったことを深く考えさせられましたが、
何を書いても嘘っぽく陳腐な感じがしますので割愛。。。
みなとみらいを一望できるすてきなお店で美味しいアイスを頂いてクールダウンしてから帰宅しました。



さて昨年の東京国際映画祭コンペティション部門で観客賞を受賞したこの作品、
非常に話題を集めているようで、私が見に行った回もほぼ満席でした。
(パンフレットも売り切れていて、とても残念...。)
追加上映も決まったようですので、是非是非、一人でも多くの方にご覧頂きたいなーと思います。
個人的には3Dでご覧頂くことをお薦めしますが、2D上映もされていますので、3Dが苦手な方は2Dでどうぞ!



また弊社の「アーティスト公式サウンドフル」では、前述の「NIGHT JUNGLE」の楽曲を配信していますので、
今回興味を持って頂いた方がいらっしゃったら、こちらも是非チェックして頂ければ嬉しいです!